約定力・スリッページすべる話

前回のスプレッドがひろがる訳の内容にもかかわってきます。みなさんはFXの約定力について意識してトレードされておりますでしょうか?またスリッページについて意識されておりますか?

そもそも約定とは端的にいえば、トレーダーが注文画面から「売り注文」や「買い注文」のオーダーを出し、業者側(発注システム)の「売買発注が成立」するまでの一連の流れのことですね。

また、よく聞く約定拒否とは、為替変動が激しいとき市場の急変時などに注文が通らない、FX業者の提示レートと著しく注文値がずれたときや流動性の低い時間帯に発生する注文が支持通りに通らない現象のことを言います。

トレーダーの注文レートとFX業者の提供レートとの差によりFX業者が損を被る可能性が高い場合などが考えられるので業者が約定拒否をしているという言い方になっています。

そして約定力とは、その名の通りですが、成行き注文後に即座に約定する力、そのスピードや約定拒否などをしない頻度などが評価されます。
指値注文や逆指値注文がきっちりその価格で刺さっているかなども評価対象です、とくにスキャルピングの取引では、約定率が業者選びのポイントとして重要になってきます。

そしてスリッページとはチャートを見ながら注文をしたにも関わらず、実際は他のレートで注文されてしまうことを言います。これをよく「滑った!」とか「滑る業者」とかいいます。

スリッページが発生した時の約定可否

CASEその1

スリッページ設定を仮に3PIPSと設定していた場合にスリッページが発生した場合。

例えばドル円が110.00の時に買い注文を出したときは109.97~110.03の間のスリッページは許容されるのでその範囲内で約定しますが、それ以外の値では約定しません。ただしFX業者によっては以下のようにトレーダーが出している買い注文に対して有利な値では取引が成立する場合があるので注意も必要です。

110.04 約定しない ×
110.03 約定する  ◎
110.02 約定する  ◎
110.01 約定する  ◎
110.00 ★買いの注文値★
109.99 約定する  ◎
109.98 約定する  ◎
109.97 約定する  ◎
109.96 約定する  ◎
109.95 約定する  ◎ 以下の値も約定します

CASEその2

スリッページを仮に「0」としていた場合、上記を同じ注文値「110.00」の買い注文を出していた場合に業者のスリッページが発生し、110.00での注文が通らない場合は、110.00のレートが無いためスリッページ範囲も0のため、注文は不成立(約定不成立・約定拒否)となります。

CASEその3

そもそもスリッページを設定していない場合、その約定の値は無限に拡大する可能性があります。たとえば最初の110.00に設定していた買い値がスリッページにより、そしてし表示などはさらにスプレッドの拡大により、110.50円や111.00と100PIPS以上離れた値で約定することも実際にはあります。そのまま、また急落した場合のことなどをかんがればスリッページを設定しておくこともトレードにおいては大事なことと言えるでしょう。

【traders-pro】管理本部 吉村