FXの利益20万以下は申告しなくていいの?

サラリーマンは「FXの利益が20万以下なら申告しなくていいんですよね?」っていう質問をよく受けますが、これはちょっと間違いなのでココんとこ知っておきましょう。

なぜなら年末調整で給与所得者は会社や雇い主が所得税や住民税等の納税を行ってくれるので、サラリーマンなどの給与所得者のアルバイト、アフィリエイトなどの副業等で得た利益が20万以下なら原則的に申告は不要なのです。ここのところからFXの利益も20万以下なら申告が不要という話がよく出てくるようですね。

例外があるんです!

1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
3 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
(注) 給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
4 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
5 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
6 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
7 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

引用元: 国税庁タックスアンサー(No1900-給与所得者で確定申告が必要な人

これらに当てはまる方は申告が必要です

そして大切なのはここ!

住民税の申告です、住民税の申告は所得税の確定申告とは別に利益が20万円以下であろうがなかろうが、また所得の大小にかかわらず給与以外の所得分に対して必ず申告が必要です。

FXの利益がある方は経費を差っぴいて必ずお住まいの市町村の役場に出向いて住民税の申告をしましょう。申告期間は確定申告と同様に開始は2月1日頃から(市町村による)3月15日までとなっています。              *FXの経費についてはこちら

ちなみに、収入が全くのゼロの方でも住民税の申告は必要です。申告をしないと、住民税や国民健康保険料の金額が確定出来ないですからね(申告が無い場合は、「所得不明」という扱いになります役場から電話などがかかってきます。)

 

そして、未申告は必ずばれます~!

FX取引が個人でも出来る様になった当初、所得税や住民税の申告漏れが多発していました。

FX取引等の取り扱いをしている金融商品取引業者は、個人・法人が1年間に行った取引による損益やスワップ損益などを記載した支払調書を、税務署へ提出が義務づけられています。(2009年1月1日以降)なのであなたの損益はすべて税務署が把握していますし、今後はマイナンバーによる管理もはじまりますのでさらに未申告者の扱いも厳しいものとなっていくことが予想されます。

【traders-pro】管理本部 吉村

FXの税金と確定申告・損失も申告しよう!

まだ少し早いかもしれませんが、もう今年も残すところ2ヶ月ちょっとです。

これから年明け過ぎの確定申告の時期まで増えてくる取引利益や損失のこと、FXの税金について簡単にわかりやすくご案内できればと思います。

まずは基本、FX投資で得た利益については「先物取引に係る雑所得等」に該当し、一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税+住民税)が課税されます。 *復興特別所得税は2037年12月31日までなので以降は一律20%

FXについては、株式投資と違い、「特定口座」という制度がありませんので、利益が出ている場合には、誰でも確定申告が必要です。ただし、利益が20万円以下である場合は不要になる場合もあります。FXの利益20万以下は申告しなくていいの?

FXは「先物取引に係る雑所得等」申告分離課税となります。これは、確定した損益を1年間合算した金額に定められた税率を掛け、給与所得などの他の所得の金額と分けて、確定申告を行い納税する方法のことです。

支払う税金は「FXの利益」から「FX取引にかかる経費」を引いた金額に対して、20.315%の税率を掛けて計算します。

また、FXの利益と書いているのは決済後の確定した損益です、未実現の損益については確定(決済された)年度の損益になることを覚えておきましょう。

 FXにかかった経費を計算しましょう

FXの利益から経費は引くことが可能です。どんなものが経費になるか確認しましょう。

通信費インターネット等に係る経費、携帯で取引していればそれに係る通信費も含めることが出来るでしょう。

情報に係る経費:セミナー受講料、書籍、新聞(電子書籍商材等も含む)取引に必要なソフトなど。(例:MT4インジケーターソフトの購入費用)

交通費・宿泊費:セミナー会場までの交通費や宿泊費用

手数料:入出金時の際にかかった銀行への手数料等

 確定申告が必要な人

給与所得者:2000万以上の人→FXの利益の有無にかかわらず確定申告必要                  2000万以下→FXによる利益が20万円を超える場合は確定申告要

給与所得がない人(自営業、主婦、学生):
                               
この方たちはFXで得た所得が38万円を超えると確定申告の必要があります。この38万円という金額は、配偶者控除を受けられるかどうかの判断基準となる金額です。

公的年金等に係る雑所得がある人(年金受給者等):                                   公的年金の収入が400万円以下、且つ、公的年金等に係わる雑所得以外の所得金額が20万円以下ならば確定申告不要
逆に、これらの条件に当てはまらない、公的年金における収入が400万円以上でFXでの所得が20万円を超える場合、確定申告必要となります。

 損をしていても申告しよう!

利益がでたら確定申告ということを前提でお話してきましたが、ここでは損失がでていても申告するメリットについて確認しましょう。

繰越控除
一般的には利益がなければ確定申告はしなくて良いと考えがちですが、。繰越控除を受ければ、今年度に発生した損失を翌年以降3年間店頭FXや取引所の先物取引で発生した利益と相殺させ、利益が出た年の納税額を減らせるのです。
翌年以降に控除を受けるには、損失した年に確定申告を行っておく必要があり、翌年以降確定申告をも継続的に行う必要があります。

損益通算(これ大事!)
複数の会社でFXの取引をしていた場合、各社の損益を合算することが出来ます。 例えばA社で100万円の利益、B社で50万円の損失があった場合、損益通算をすれば50万円の利益となり、ここから必要経費を引いた金額が所得となります。損益通算をしなければ50万円がそのまま利益となってしまいます。税額が多くなってしまいますので、
損益通算をすれば納税額を減らせる可能性もありますので、節税を考えている方は損益通算という制度を覚えておきましょう。

【traders-pro】管理本部 吉村